CoaXPress-over-Fiber: カメラメーカーによる採用で勢いを増す

Product / 05.2021


銅線の同軸ケーブルは、速度、総帯域幅、重量、および距離においてその限界に達そうとしています。Euresysは銅線同軸ケーブルを使ったアプリケーションにもCoaXPressのメリットをもたらせるよう、新しいCoaXPress-over-Fiberブリッジプロトコルの普及に取り組んでいます。もともとEuresysSensor to Imageによって開発されたCoaXPress-over-Fiberは、CoaXPress分科会メンバーの協力により生まれた規格です。現在では、日本インダストリアルイメージング協会JIIAによって、広く採用されているCoaXPressインターフェース規格の拡張規格として正式に採用・公開されており、さまざまな業界での採用が実現しています。
 
OverFiber_Invision_A4_vf.jpgEuresysはインターフェースと基盤の包括プロトコルを完全に実装できるように、デバイス/送信機またはホスト/受信機向けに新しいIPコアをリリースしました。カメラメーカー、フレームグラバーメーカー、および組み込みビジョンシステム開発者がCoaXPress-over-Fiber 基盤の新製品を市場化するまでの期間を大幅に短縮できることが期待されています。また、すでに広く使用されているEuresysのCoaxlinkシリーズフレームグラバーに新しい Coaxlink QSFP+ を追加してCoaXPress-over-Fiberを実装した最初のフレームグラバーもリリースしました。

これをきっかけに、カメラメーカー数社は早期採用者として新しいファイバーベースのプロトコルを採用しました。CoaXPress-over-Fiber基盤の新しいカメラを開発しているこれらのメーカーのうち、一部は年内にリリース予定の新製品について公表済みです。
Vision Research(米国)は、2020年後期に、新しい超高速カメラシリーズのプロトタイプを公開した最初の企業です。この新しいモデルは、ほぼ1,000フレーム/秒(fps)の速度とフル4Kの解像度で画像を取得でき、関心領域(ROI)を絞り込めば、2つのQSFP+接続を使用するだけで500,000 fpsを超えるフレームレートを達成できます。
Vision Research S991 CoaXPress-over-Fiberプロジェクトのシステムエンジニアを務めるシニアテストエンジニアのLee Denaro氏から、次のようにコメントをいただいています。「CoaXPress規格の新しい拡張規格を早期に採用するにあたり、Euresys/Sensor to Imageと提携したことは弊社にとって素晴らしい成果となりました。弊社の次世代マシンビジョンカメラ設計をEuresys/Sensor to ImageのCoaXPress IPコアに適応させられただけでなく、新しい CXPoF Bridge IP Core. コアを使用して新しいCoaXPress-over-FiberCXPoF)を実装するという作業を比較的迅速に進めることができたのです。Euresysから積極的な技術サポートを得られたことも相まり、規格委員会とともに新しいアプローチの幅広い業界採用を促進することができました。新しい Coaxlink QSFP+ CXPoF フレームグラバーと eGrabber ソフトウェアを使用することで、弊社のマシンビジョンカメラの性能の高さに完璧に適合するデュアルQSFP+実装を実現することができました。16本の同軸ケーブルを使ってセンサーの全帯域幅をホストPCに伝送するかわりに、ハードウェアを一切追加せずに、はるかに軽量で長い、たった2本の光ファイバーケーブルでこれを実現できたのです。まさに合理化された実装と改善された動作パフォーマンスの融合の賜物です。」
詳細: https://www.phantomhighspeed.com/products/cameras/machinevision

めることでさらに高いフレームレートを達成することができ、急増するCoaXPress-over-Fiberカメラ製品の中では最速となる見込みです。
株式会社シーアイエス代表取締役社長の村岡祐輔(むらおかゆうすけ)氏は、「マシンビジョンカメラとフレームグラバーの接続において、日本国内では長年にわたり光ファイバーが使用されてきました。互換性のあるカメラを開発することで、新たに公開されたCoaXPress-over-Fiber国際規格をサポートできることを大変嬉しく思っております。」と述べています。
詳細: https://www.ciscorp.co.jp/


ほかのメーカーもこの時流に乗り始めています

VieworksラインのCoaXPressカメラは大変な成功を収めていますが、さらに前進するためには、解像度と速度をさらに高めたカメラの開発を可能にするCoaXPress-over-Fiberを選択肢として考えています」―Vieworks(韓国)営業チームリーダーRyan Kyung
詳細: https://vision.vieworks.com

「CoaXPressインターフェースを早期に採用したIO Industries(カナダ)のカメラと録画システムは、その配線の信頼性と単純さに対し、多数の応用分野のお客様から賞賛をいただきました。また、CoaXPressが提供する信頼のあるポイントツーポイント接続、決定的タイミング、および高スループットを犠牲にすることなく、より長いケーブルと加速化を必要としているアプリケーションが多数あることがわかりました。弊社のRedwoodカメラファミリーに単一のQSFP+オプティカルインターフェースとCoaXPress-over-Fiberプロトコルを採用し、45MPおよび65MP CMOSセンサーをサポートするすることが、最新技術を求めるお客様に出したIO Industriesのタイムリーかつ最先端の答えです。」―IO Industries(カナダ)営業マネージャーAndrew Searle
詳細: Redwood 45MP Features, Redwood65MP Features, www.ioindustries.com

今後数か月にわたり、CoaXPress規格のCoaXPress-over-Fiber拡張規格を採用した新モデルを発表するカメラメーカーが増えるのは間違いありません。これにより、軽量で一般に普及している光ファイバケーブルとネットワーク環境のトランシーバーを使った高性能インターフェースとして、産業界における採用が急速化すると見込まれています。 ケーブルとコンポーネントが広く普及されているため、長年にわたり、コスト効率と信頼性がはるかに高い一般仕様のファイバインフラストラクチャを確立することができます。
Euresysの最高経営責任者を務めるMarc Damhautは、「EuresysCoaXPress-over-Fiberビジョン規格の草案と積極的な取り組みを通じ、CoaXPressのリーダーとしての信念を強固にしています。お客様とパートナー各社に新しいビジョン製品とアプリケーションを構想させられる技術的なレバレッジを、市場と産業全般にもたらせることを嬉しく思っています。」と述べています。