CoaXPress 2.0 | CoaXPress が 12.5 ギガビット/秒を達成するとき (CXP12)

Product / 04.2017


2011 年に公式規格として承認されて以来、CoaXPress (略称「CXP」) は、マシンビジョン市場のエコシステムに大きなステータスを築いてきました。今日では、この規格を採用した多数の製品 (カメラ、ケーブル、フレームグラバー、コンバーター、リピーターなど) が生産され、世界中のマシンメーカーやシステムインテグレーターに使用されています。
さらに前進すべく、CoaXPress ワークグループは現在、この規格を大きく進化させる次期 CoaXPress 2.0 の開発に臨んでいます。


COAXPRESS 2.0

ビジョン検査装置市場における CoaXPress の採用を促す主な要因として、次世代の高解像度と高いフレームレートのカメラの獲得を可能にする CoaXPress の帯域幅が挙げられます。
規格の次期改訂sの目玉となる CoaXPress 2.0 は、その最大接続ビットレートを 12.5 Gbps に引き上げるものです。現在の単接続での最大データレートは 6.25 Gbps (CXP-6) ですが、次期改訂規格では、CXP-10 (10 Gbps) と CXP-12 (12.5 Gbps) の 2 つのデータレートが追加される予定です。
この技術進化には、2 つの目標が見込まれています。
 
使用できる最大帯域幅を引き上げること。ケーブル 4 本と CXP-12 接続により、最大データ転送率は 50 Gbps または 5 ギガバイト/秒 となります。たとえば、これは 10 ビット/12 メガピクセルのエリアスキャンセンサーを 300 イメージ/秒以上で、または 8 ビット/16k のラインスキャンセンサーを 300,000 ライン/秒で稼働する上で十分な速度です。
コスト削減。現在販売されているほとんどの CoaXPress カメラには、2 つまたは 4 つの接続が必要です。接続帯域幅を引き上げることで、接続数 (およびフレームグラバー数) と各カメラに必要なケーブル数を減らすことができるだけでなく、システムの総コストを抑えることができます。
「CXP-12 の開発は刺激的なチャレンジです。」 Euresys エンジニアリング部門副社長である Jean-Michel Wintgens はそう述べ、次のように続けています。「CXP-12 は、少ないケーブル数で接続を簡略化する一方で (2 本の CXP-6 の代わりに単一 CXP-12 接続)、より高いフレームレートと解像度を備えたカメラに対応します (現在 8xCXP-6 カメラが流通していますが、カメラメーカーは市場の要件を満たすために CXP-12 を求めています)。」

CXP 12への2 つの道のり―さらなる可能性

Euresys Lab- Working on the futur of CXPCoaXPress 2.0 規格の考案はほぼ完了し、2017 年春に開催される International Vision Standards Meeting (国際ビジョン規格会議) 中にリリース候補版を完成できるように、第 1 四半期には最終ドラフトの準備が整うことを目指しています。その後、最初の認定製品は、2017 年終盤に発表される見込みです。CoaXPress の確実な標準化ロードマップと業界関係者のサポートにより、さらに多くのコンポーネント供給業者が製品開発に取り組んでいます。
 
Euresys では、2 種類のコンポーネントを使用・比較しながら、新しいフレームグラバーの開発に取り組んできました。現在のところ、双方のオプションで成功が確認されており、製品設計にさらなる柔軟性が取り込まれることが期待されています。
 
Euresys エンジニアリング部門副社長である Jean-Michel Wintgens は、「CXP テクノロジーを実装ためのソースが複数あるということが、この規格を前進させ、リスクを軽減し、品質を高めて価格を抑える上で重要な要素なのです」と述べています。
 
Euresys は、10 Gbps CXP プロトタイプカメラを提供した Adimec 社との協働により、Vision Show Stuttgart 2016 において Microchip 社 (www.microchip.com) のチップセットを使用した CoaXPress 10 Gbps フレームグラバーを実演紹介することができました。
Microchip Technology, Inc. (www.microchip.com) グローバルマーケティングマネージャーである Zeph Freeman 氏は、「Microchip は CoaXpress 規格の考案者として同軸ケーブルでの超高速通信に注力しており、再設計することなく同一チップ内で 1.25 Gbps から最大 12.5 Gbps までのすべての CXP 速度をサポートできる唯一のプロバイダです。」と述べています。Adimec (www.adimec.com) は、CoaXpress 規格のパイオニアで、生産可能な CoaXPress 認定製品を提供する初のサプライヤです。
 
一方で、Eueresys は MACOM Technology Solutions Inc. (MACOM) 社のコンポーネントを使用して、似たような開発を試みています (http://ir.macom.com/releasedetail.cfm?releaseid=1021131)。
「2014 年、MACOM は単一の同軸ケーブルでの 4K ブロードキャスト映像を 12 Gbps で実現した初のチップセットを発表しました。マシンビジョン業界の可能性をさらに広げるべく、MACOM はこのテクノロジーを使用して、次世代 CoaXPress インターフェースの展開に注力してきました。」と、MACOM 製品マーケティング部長である Mike Fukatsu 氏は述べています。
Euresys は AIA、EMVA、および JIIA のメンバーとして、さらに CoaXPress ワークグループのアクティブメンバーとして、積極的に CoaXPress 2.0 の開発に参加しています。Euresys の CEO である Marc Damhaut は、「弊社の CoaXPress カードである Coaxlink シリーズは、Euresys で最も成長の著しい製品群です」と述べ、Euresys は CoaXPress 規格に専心しており、今後も CoaXPress のリーダーとしての地位を維持していくことに努める意向です。」と続けています。