eGrabber: GigE Vision、CoaXPress、Camera Linkカメラに1つのAPIで対応

Product / 04.2022


マシンビジョンアプリケーション開発者であれば、適切なカメラインターフェースの選択に悩まされる事があるでしょう。EuresysのeGrabber画像取り込みソフトウェアには、GigE Vision、CoaXPress、およびCamera Linkカメラに対応した一連の画像取り込みドライバー、ライブラリ、ツールがすべて備わっています。


1 | eGrabber StudioeGrabber評価・デモアプリケーションです。画像の取り込みテスト、カメラとフレームグラバーのパラメーターのチェックと構成、およびハードディスクへの取り込み動画の録画を実行する機能が備わっています。

元々、EuresysフレームグラバーのドライバーとユーザーAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)として開発されたeGrabberですが、これには、複数のプログラミング言語(C++、C#、Python)に対応する高度なオブジェクト指向のユーザーフレンドリーなAPIが用意されています。
 

Gigelink

eGrabber Gigelinkは、オプションとして提供される新しいeGrabberのアドオン製品です。ハードウェアに依存することなく、GigE Visionカメラへの汎用アクセスを提供します。eGrabber Gigelinkでは、専用のカメラドライバーを使用せずに、複数のブランドのGigE Visionカメラを同一のアプリケーション内に円滑に統合することが可能です。またeGrabberにおいては、プログラマーは同じ概念、オブジェクト、および関数呼び出しを使用して、ブランドを問われることなく、あらゆるGigE Visionカメラ、CoaXPressカメラ(Euresys Coaxlinkフレームグラバーを使用)、およびCamera Linkカメラ(Euresys Grablink Duoフレームグラバーを使用)から画像を取り込むことができます。
eGrabberは、従来のマシンビジョンインフラストラクチャーとより最近のテクノロジーを連結することで、増分費用を抑えながら、機能拡張を実現します。このため、高解像度CoaXPressラインスキャンカメラ(移動体の表面検査用)と低コストのGigE Visionカメラ(物体の限界検出用)の画像の取り込み技術を組み合わせるなど、多様な取り込み技術の組み合わせも単純に達成することが可能です。
 

GenICam GenTL プロデューサー

また、eGrabberドライバーとeGrabber Gigelinkは、正式なGenICam GenTLプロデューサーでもあり、GenTL対応のあらゆるアプリケーションにシームレスに接続し、画像の取り込みサービスを提供することができます。これは、食品、医薬品、または自動車の品質管理アプリケーション用のエリアスキャンカメラで、広角視野による広範な位置検査と高解像度フォーカスによる詳細検査を実現する場合などに役立ちます。
 

使いやすいインターフェイス

同じエコシステムで提供されるeGrabber Studioは、eGrabber の評価・デモアプリケーションです。画像の取り込みテスト、カメラとフレームグラバーのパラメーター(GenAPI機能)のチェックと構成、およびハードディスクへの取り込み動画の録画を実行する機能が備わっています。ライブヒストグラム、プロファイル、およびピクセルの情報を表示することも可能です。


画像 2 | eGrabber画像取り込みソフトウェアには、GigE VisionCoaXPress、およびCamera Linkカメラに対応した一連の画像取り込みドライバー、ライブラリ、ツールがすべて備わっています

 
デバッグ機能

MementoはeGrabberエコシステムのデバッグツールです。画像の取り込み中に、カメラ、フレームグラバーとそのドライバー、およびホストアプリケーションに関連するイベントを精細なログとして記録することができます。ドライバーの関数呼び出し、コールバック、フレームグラバーが受信したトリガー、照明コントローラーまたはフレームレートコントロール信号に送信されたストロボ信号などのイベントは、Mementoドライバーにより、正確なタイムスタンプや詳細なコンテキスト情報とともに記録されます。Mementoアプリケーションでは、ユーザーがこれらのイベントの一覧を、関連するタイムスタンプや有用なコンテキスト情報と合わせて表示することができます。リストされるイベントはタイムラインにも表示されます。さまざまな冗長レベルを適用することで、最も重要なメッセージのみをフィルタリングして表示したり、詳細なログ情報を得ることができます。また、メッセージの発信元または性質などに応じて、表示やハイライトの追加オプションも用意されています。検索機能を使用すれば、コンテンツに基づいてバックメッセージを検索することもできます。Mementoは、開発者によるアプリケーションの開発、デバッグ、およびシステム運用を支援し、マシンの動作を把握して、トリガーミスやロスト画像といった問題の原因をピンポイントで指摘できるようにサポートします。
 

リアルタイム録画

アーカイブや診断の目的で動画のリアルタイム録画が必要なアプリケーションにおいては、eGrabber Recorderによるハードディスクへの録画サービスが役立ちます。ハードディスクドライブ(HDD)とソリッドステートドライブ(SSD)のどちらでも使用可能です。より具体的には、高速SSD(NVMe PCIe Gen 3x8またはGen 4x4 M.2 SSDなど)が入手しやすくなっており、その帯域幅が市販のより高速なカメラの要件に対応できます。eGrabber Recorderの焦点はパフォーマンスです。ライブラリは、ビデオストリームをこれらのディスクの最大帯域幅で最大ストレージ容量まで効率的かつ連続的に保存できるように、高度に最適化されています。
 

OPEN EVISIONへのブリッジ接続

Open eVisionには、一連の画像解析ライブラリとソフトが揃っており、文字・コードの読み取り、マッチングと測定、3D処理とディープラーニング検査を行うことができます。eGrabber Bridgeは、カメラとのスムーズな連結を保証することで(ハンドシェイクとデータフォーマット)、これらのライブラリへのアクセスを提供しています。評価・プロトタイピング用アプリケーションの「Open eVision Studio」も無料で備わっているため、選択したOpen eVisionライブラリのチューニングとコード生成を行えます。