Camera Link
概要
Camera Linkは、最初のデジタルマシンビジョンインターフェイスとして2000年にリリースされました。Camera Linkは、複数の低電圧差動信号(Low-Voltage Differential Signaling/LVDS)ペアまたは1つまたは2つの26ピン ミニチュアデルタリボン(MDR-26)またはSDR-26コネクタを使った2点間のセミパラレル/セミシリアルデータインターフェイスです。1 コネクタ/ケーブルにより2 Gbpsの帯域幅を提供するCamera Link Baseから2 コネクタ/ケーブルにより6.8 Gbps(850メガバイト/秒)の帯域幅を提供するCamera Link 80ビット(Deca)まで、様々なCamera Link構成が提供されています。画像転送の他に、4つのフレームレートコントロールシグナルによってダイレクトでレイテンシーのないカメラ制御を提供しています。
Camera Link規格はA3(Association for Advancing Automation)により管理されています。最も歴史のあるマシンビジョン規格の1つではありますが、Camera Linkは現在でも広く使用されており、数百ものカメラ、フレームグラバー、ケーブル、エクステンダー、付属品が市販されています。
技術的概要
- 単純なピクセルデータシリアル化、パケット以外を使用するプロトコル
- 双方向シリアル通信でカメラを制御
- Power over Camera Link(PoCL)
- カメラのクロック周波数(およびデータ転送の周波数)は、古い/安価なカメラやフレームグラバーでは40 MHzから始まり、最新のデバイスでは85 MHzに達することがあります。
- カメラのクロック周波数に応じて7~15 mのケーブル
構成
Camera Link Base
- 接続数 / ケーブル数: 1
- データ転送: 24ビット
- 帯域幅(85 MHzのカメラクロック周波数): 24ビット x 85 MHz = 2.04 Gbps = 255メガバイト/秒
Camera Link Medium
- 接続数 / ケーブル数: 2
- データ転送: 48ビット
- 帯域幅(85 MHzのカメラクロック周波数): 48ビット x 85 MHz = 4.08 Gbps = 510メガバイト/秒
Camera Link Full
- 接続数 / ケーブル数: 2
- データ転送: 64ビット
- 帯域幅(85 MHzのカメラクロック周波数): 64ビット x 85 MHz = 5.44 Gbps = 680メガバイト/秒
Camera Link 72ビット
- 接続数 / ケーブル数: 2
- データ転送: 72ビット
- 帯域幅(85 MHzのカメラクロック周波数): 72ビット x 85 MHz = 6.12 Gbps = 765メガバイト/秒
Camera Link 80ビット(Deca)
- 接続数 / ケーブル数: 2
- データ転送: 80ビット
- 帯域幅(85 MHzのカメラクロック周波数): 80ビット x 85 MHz = 6.80 Gbps = 850メガバイト/秒
その仕組みは?
Camera Linkのリリース当時、National Semiconductorの1つ、2つ、または3つのChannel-Linkトランシーバーチップが使用されていました。各Channel-Linkトランシーバーチップは28ビットのデータを転送します。データは7対1でシリアル化され、それから得られる4つのデータストリームと専用クロックが5つのLVDSペアを介して駆動されます。レシーバーは4つのLVDSデータストリームとLVDSクロックを受け入れて、28ビットとクロックを受信デバイスに転送します。
Camera Link Baseはこれらの28ビットを使用して最大24ビットのピクセルデータと3つのビデオ同期シグナルを1ビットを残して伝送します。ビデオ同期シグナルはData Valid(DVAL)、Frame Valid(FVAL)、およびLine Valid(LVAL)です。Camera Link MediumとFullはそれぞれ1つまたは2つの追加Channel-Linkトランシーバーチップを使用するため、合計最大80ビットのデータを転送します。
カメラのクロック周波数は40~85 MHzの範囲で、ケーブル上のシリアル化されたデータの速度は7倍高くなります。
Camera Linkコネクタは、カメラと通信するための4つの個別のLVDS制御信号(CC1~CC4)と2つのLVDS非同期シリアル通信ラインも伝送します。
Channel-Linkはプロトコルまたはエンコーディングのオーバーヘッドのない汎用のデータパイプです。そのため、Camera Linkインターフェイスの実装を比較的簡単に行えます。CoaXPress、Camera Link HS、GigE Vision、および USB3 Visionとは異なり、Camera Linkデータは単にシリアル化されており、パケット化もエンコーディングもされていません。したがって、エラー検出やエラー修正の提供もありません。今日のCamera Linkインターフェイスは通常、FPGAに直接実装されています。
最新の機能と今後の開発
リリースから20年以上が経つCamera Linkは現在でも広く使用されており、数百ものカメラ、フレームグラバー、ケーブル、エクステンダー、付属品が市販されています。具体的には、ラインスキャンカメラに現在でも使用されているインターフェイスです。帯域幅とケーブルの長さが主な制限です。A3が管理するまったく新しい規格であるCamera Link HSにはCamera Linkとの下位互換性がないため、直接的な後継規格とは見なされません。多くのマシンビジョン用途では、Camera Linkは、大幅に広い帯域幅を提供し、より長いケーブルをサポートし、同レベルの堅牢性を実現するCoaXPressに置き換えられています。