テクノロジー

CoaXPress-over-Fiber

CoaXPress-over-Fiberとは

CoaXPress-over-Fiberは軽量でありながら、既存のCoaXPress仕様の重要な拡張機能として、光ファイバ経由の転送をサポートしています。
CoaXPress
CXP)は、高帯域幅コンピュータービジョンアプリケーションの事実上の規格です。CoaXPressの最高速度はCXP-12で、同軸銅線ケーブルで12.5 Gbps(ギガビット秒)を達成します。CoaXPressではリンクアグリゲーションの適用が一般的であり、4つのCXP-12リンクを使えば、50 Gbpsの帯域幅(12.5 x 4)の達成は簡単です。
CoaXPress-over-Fiber
は当初、CoaXPress仕様へのアドオンという形態で設計されました。CoaXPressプロトコルをそのまま変更せずに、光ファイバを含む標準のイーサネット接続で実行する手段を提供するものです。そのため、CoaXPress-over-Fiberはイーサネット用に設計された標準的なエレクトロニクス製品、コネクタ、およびケーブルを使用しますが、プロトコルはイーサネットやGigE Visionではなく、CoaXPressです。
Euresys
およびSensor to Imageは、2018年にCoaXPress-over-Fiberの開発とデモを開始しました。CoaXPress-over-Fiberの仕様は2021年にCoaXPress 規格のアドオンとして承認され、JIIA日本インダストリアルイメージング協会)によって管理されています。 

CoaXPress-over-Fiberの帯域幅は?

CoaXPress-over-Fiberの初期構成は、単一 QSFP+モジュールにおける4 X 10 Gbpsで、カメラ当たり40 Gbpsを達成できます。これは、4本の銅線同軸ケーブルでの4つのCXP-12リンクと同じ総帯域幅ではありますが、今日のS2I IPコアは、4×10 = 40 GbpsQSFP+)と4×25 Gbps = 100 GbpsQSFP28)の実装サポートを提供しています。  また、4xX50 = 200 GbpsQSFP56)の実装に向けて明確なパスが定義されています。 

エンドユーザーにとって、CoaXPress-over-Fiberにはどのような意味がありますか?

イーサネット接続を活用すれば、CoaXPress-over-Fiberで、イーサネット用に設計された標準的な低コスト設備(コネクタやケーブル)を使用できるだけでなく、より高い帯域幅へと継続的に進化するイーサネットをそのまま利用できるというメリットがあります。エンドユーザーは、さらに高解像度のイメージング技術だけでなく、より高速な検査速度と信頼性に対する今後の需要にも製品が対応できることを期待できます。

CoaXPress-over-Fiberにはどのようなケーブルを使用できますか?ケーブルの最大長は?

CoaXPress-over-Fiberの最も重要なメリットには、多数のサプライヤがすでに多様な接続オプションを提供していることがあります。10/25 Gbpsの初期的なCoaXPress-over-Fiber接続オプションは、SFP+/SFP28QSFP+/QSFP28(クワッド、またはSFP+4倍)モジュールです。
固定インターフェイスと比較した場合のモジュールの利点は、用途で必要となる適切なトランシーバをポートに装備できる点にあります。多様なトランスミッターとレシーバーを利用できるため、ユーザーは、マルチモードまたはシングルモードファイバで必要な光ケーブルのリーチを提供する上で適したトランシーバを選択できます。 

光トランシーバーは絶えず進化しているため、同じ種類のファイバでより長いケーブル距離を提供する他のオプションが定期的に登場しています。

ブレイクアウト光ケーブルも利用可能です。このケーブルには、片方に40G QSFP+トランシーバ(フレームグラバー用)、もう片方に4つの10G SFP+トランシーバ(4台のカメラ用)が備わっています。

このソリューションではさらに高速のオプションも利用できる状態であるため、将来的な需要にも対応可能です。SFP28イテレーションは、25 Gbpsの速度に対応できるように設計されています。QSFP28(クワッドSFP28)系統の場合は、最大100 Gbpsです。QSFP56は、2019年の時点ですでに標準化されており、主要ベンダーから販売されている製品の最高速度は2倍の200 Gbpsになっています。

私の用途でCoaXPress-over-Fiberを使用するメリットは何ですか?

  • 超高速データ/フレームレート 
  • あらゆる接続距離要件に対応する多数のアクセサリとケーブルオプション 
  • CPUオーバーヘッド、低レイテンシー、低ジッターの画像の取り込み 
  • 追加の前方誤り訂正によるデータ整合性の教科 
  • PC当たりのカメラ台数における最高パフォーマンス 
  • 競争力の非常に高いコストパフォーマンス 
  • JIIAおよびIEEEの標準による業界での幅広い採用 

          CoaXPress-over-Fiberのジッターとレイテンシーは?

          「従来」のCoaXPressと比較した場合はどうですか?

          CoaXPress-over-FiberはCoaXPressプロトコルに基づくものであり、ジッターとレイテンシーに関すると、CoaXPressと同様に高いパフォーマンスを示します。また、CoaXPress-over-FiberはCoaXPressに比べてより高い転送速度をサポートしています。

          全般的に、CoaXPress-over-Fiberは他のビジョンインターフェースとどのように比較されますか?

          全般的に、CoaXPressとCoaXPress-over-Fiberは他のビジョンインターフェースとどのように比較されますか?

          CoaXPressは以下のユニークな組み合わせにより成功している規格です。 

          • 高帯域幅 
          • 低ジッターと低レイテンシー(カメラトリガーを含む) 
          • 高い安定性/信頼性 

          CoaXPress-over-FiberはCoaXPressであり、上記のメリットを備えています。

          CoaXPress-over-Fiber vs GigE Vision

          CoaXPressとCoaXPress-over-FiberはGigE Visionとどのように比較されますか?

          画像転送帯域幅 

          CoaXPressCoaXPress-over-Fiberは、リンクアグリゲーションを簡単にサポートすることができ、ほとんどのCoaXPressカメラでは、現在2つまたは4つのリンクを使用しています。同様に、CoaXPressフレームグラバーは、カード当たり1個から8個の接続を提供しています。CoaXPress-over-Fiberの初期構成は4 x 10 GbpsQSFP+)で合計40 Gbps4つのCXP-12リンクト同じネット帯域幅)、または4×25 GbpsQSFP28)で合計100 Gbpsでしが、4 x 50 Gbps = 200GbpsQSFP56)への明確なっプグレードパスもあります。
          一方、GigE Visionによるリンクアグリゲーションは困難であり、ほとんどのGigE Visionカメラはリンクを1つしか使用しません。

          画像取り込みの安定性 

          CoaXPressプロトコルのデータパケットはより単純に管理されます。フレームグラバーまたはインターフェースカードによって行われており、専用ハードウェアを使って、ホストCPUに負荷を与えることなく、低レイテンシーと安定した画像の取り込みを保証しています。
          一方、従来のGigE Visionアプリケーションの場合、ドライバーがデータパケットの管理を行う、標準的なネットワークインターフェースカード(NIC)を使用するため、ホストCPUに大きな負荷がかかります。
          総合的に、CoaXPressは、ホストCPUに負荷をかけることなく、より安定した、信頼性の高い画像転送を実現しています。速度がさらに高速化するほど、この差がより顕著に現れます。

          どのオペレーティングシステムをサポートしていますか?

          CoaXPress-over-Fiberはオペレーティングシステムに依存していません。現在のところ、CoaXPressフレームグラバーは、Windows、Linux、macOS、および特殊な組み込みオペレーティングシステムをサポートしているため、CoaXPress-over-Fiberにもこれが適用されます。

          CoaXPress-over-Fiberカメラと GenICam

          CoaXPress-over-FiberカメラはGenICam対応ソフトウェアと連携しますか?

          はい。CoaXPress-over-FiberはCoaXPressのアドオンであり、GenICamのサポートを必須としています。

          当社の製品

          現在、CoaXPress-over-Fiber製品にはどのようなものがありますか?

          イーサネット接続を使用するメリットは何ですか?

          イーサネット接続を使用すれば、CoaXPress-over-Fiberで、イーサネット用に設計された標準的な低コストコンポーネント(コネクタやケーブル)を使用できるというメリットがあります。イーサネットはIEEE 802.3標準によって定義されています。この標準を活用するということは、CoaXPress-over-Fiberでも、さらに広帯域化を続けるイーサネットの進化を活用するということです。

          光ファイバの使用に関するメリットとデメリットは何ですか?

          メリット 

          • 何よりもまず、ファイバ接続には基本的に長さの制限がないため、ケーブルの長さは問題ではなくなりました。 
          • 光ファイバはより広い帯域幅を提供しています。現在の標準帯域幅は、ファイバ当たり10 Gbps25 Gbps50 Gbpsで、データセンターで広く使用されています。 
          • 光ファイバは電気的ノイズへの耐性があるため、生産フロアや医療分野での応用に大きなメリットがあります。 
          • 光ファイバは、同等の銅ケーブルに比べ軽量でサイズが小さいため、この特性が不可欠となる航空機や車両などの用途に最適です。 

          デメリット 

          「パワーオーバーファイバ」などはありません。光ファイバ内の信号は光を使って伝送されるため、光ファイバで送電することは不可能です。カメラなどのデバイスには、別途、電力供給源が必要です。

          カメラメーカーにとって、CoaXPress-over-Fiberにはどのような意味がありますか?

          CoaXPress-over-FiberCoaXPress規格のアドオンであるため、既存のCoaXPressカメラは、大々的な再開発や新しいプロトコルのテストを行うことなく、比較的簡単にCoaXPress-over-Fiberにアップグレードすることができます。
          CoaXPress
          カメラに既に使用されているFPGAには、イーサネット標準をサポートするための機能が多数含まれています。IEEE規格の802.3 Clause 46に定義されている10 Gbps媒体独立インターフェース(XGMII)が10Gイーサネットの物理レイヤーへの主要アクセスです。このインターフェイスの汎用的な特性により、CoaXPressからPCS/PMA イーサネットサブレイヤーへの信号送信をマッピングすることができます。XGMIIを使用することで、CoaXPressは、IEEE規格802.3の条項106に定義されている25 Gbps媒体独立インターフェイス(25GMII)によるさらに高い帯域幅にも対応できます。25GMIIは、論理的にはXGMIIに相当する一方で、それをさらに高速化したバージョンと言えます。
          Euresys
          子会社であるSensor to Imageはこの標準に対応するCoaXPress-over-Fiber Bridge IPコア(CXPからXGMII/25GMIIおよび25GMII/XGMIIからCXP)を提供しています。