ECCO / ECCO+
Extended Camera Linkケーブル対応
概要
- ECCO:30%長いケーブルを使用可能、または30%速い速度を達成
- ECCO+:最大ケーブルの長さを2倍に。または、速度を2倍に
- より安価なケーブルを使用
- 高度な信号等化テクノロジーを使ってシグナルの整合性をリストア
10メートルを超える長さのCamera Linkケーブルが必要ですか?
ユビキタスとなったCamera Link規格は、マシンビジョンソリューションのプロバイダーに数多くのメリットを提供しています。多数のCamera Link準拠コンポーネントの可用性、堅牢性、および価格が、今日最も強力なメリットです。一方で、ケーブルの長さはネックとなってきました。ロボティクス、ウェブ検査、フラットパネルディスプレイ検査といったアプリケーションでは、カメラとホストコンピュータ間に10メートル (85 MHzカメラの場合は6メートル) を超える長さのケーブルが必要です。
Camera Linkで10メートルを超える場合は、リピータ―や光ファイバといった高価なデバイスが必要とされていましたが、現在では、ECCOと呼ばれる、よりコスト効率の良いオプションが存在します。ECCOでは、Camera Linkの広帯域幅、安定性、および予測性といった特長を活かしながら、その仕様の域を超えることができます。
ECCOとは?
ECCOとは「Extended Camera Link Cable Operation」の略で、ケーブルの長さに関する問題に対処するためにEuresysが開発した技術です。20年を超えるフレームグラバーの開発を活かし、Euresysは、最新世代Grablinkフレームグラバーの、Grablink Full XR、Grablink Full、DualBase、Duo、およびBaseにこの革新的な機能を追加しました。ECCOにより、EuresysはCamera Linkフレームグラバー特有のレベルのパフォーマンスを達成するに至りました。最新の技術を使用して、Camera Link入力ステージ全体を再設計したのです。
ECCOとECCO+ の仕組み
Camera Linkケーブルは、複数のレーンを使用してデータ信号をカメラからフレームグラバーに転送します。ケーブルは完璧ではないため、データ信号の伝搬時間はレンズによって異なる場合があります。この違いは「スキュー」と呼ばれ、ケーブルが長いほど、このスキューが大きくなってしまいます。
ECCOとECCO+ は、Camera Linkデータレンズとクロック間のスキュー補正技術を使用して、データ信号をより正確にサンプリングしています。ECCOおよびECCO+ の採用により、Grablinkフレームグラバーのスキューに対する耐性が高くなり、より長い、または品質のより低いCamera Linkケーブルをサポートできます。
さらに、ECCO+ は、高度な信号等化技術を使用して、信号の整合性をリストアしています。等化とは、電気信号内の周波数コンポーネント間のバランスを調整するプロセスです。Grablink Full XRのみに提供されるECCO+ は、Camera Link規格の能力をさらに引き延ばす技術です。
Camera Linkの限界を優に超える
ECCOおよびECCO+ を搭載したGrablinkボードは、標準のCamera Linkケーブルと標準のCamera Linkカメラを使用した際のケーブルの長さや速度パフォーマンスにおいて、Camera Linkの限界を優に超えることができます。
クロック周波数と、ケーブルによってばらつきのある品質に応じて、ECCO搭載の新しいGrablinkボードは、Camera Link規格が指定する長さや「従来的に」規格を実装した他のボードが許容できる長さより最低30%長いケーブルで機能することができます。言い換えると、ECCOによって30%速い速度を達成することができるか、もしくはより安価なケーブルを使用することができるようになります。
ECCOによって得られるパフォーマンスの向上は、規格のどの構成が使用されているかにかかっており、BaseおよびMediumのCamera Linkを使用した場合、パフォーマンスの向上は30%以上にも達することができます。
Grablink Full XRで利用できるECCO+ は、目覚ましい結果を提供し、Camera Link規格が推奨するケーブルの長さと比べ、最大ケーブル長を2倍にすることができます。
実践的な例
Camera Link規格は、85MHzのサンプリングレートにおいて、ケーブルの最大の長さを5.9メートル、そのケーブルで許容される最大スキューを50ps/mと定義づけています。ECCOを搭載したGrablinkボードでは、このケーブルによってもたらされる合計スキューが最大750ps (75ps/m) であっても、ケーブルの長さを5.9メートルから10メートルに延長することができます。つまり、750psのスキュー (規格によってケーブルに許容される50ps/mスキューの50%増) を示す低品質の10メートルのCamera Linkケーブルを使って、最大クロック周波数の85 MHzを達成することができるのです!「従来型の」実装では、65MHzより高いピクセルクロック周波数のカメラはサポートされないだろうという事実に基づけば、これより画期的なことはありません。
ECCO+ のGrablink Full XRを使用する際、85MHzカメラは、最長14メートルのケーブルと使用することもできます!